Home Events Tony Awards Works Team TONY Member Interview KAYO’s Diary Nick Sakamoto’s About us Instagram Contact
ニック坂元の
ミュージカルあれこれ
⭐️What’s New⭐️
NEW!映画ウィキッドを
より楽しむ為に
今年のトニー賞作品賞のゆくえ
第78回トニー賞の概要
2024〜2025シーズン

Nick Sakamoto
仕事の関係で14年間アメリカに在住。ミュージカルに出会いブロードウェイへ通うようになる。現在は日本ですが、娘家族と息子家族を訪ねてニューヨークとカリフォルニアを年に数回訪問している。
トニー第一回目からの観客であり、現在はトニーの準メンバーとしてTony Awardsはもちろんブロードウェイを生で何度も観てきた経験を皆様にお届けします。また作品だけに限らずブロードウェイミュージカルの情報を様々な角度から調べあげ、普段耳にできないミュージカルのあんなことやこんなことをお伝えしていきます。
まずは下記のボタンより歴代のトニー賞受賞作品などをまとめたファイルをダウンロードできます。そのままの転載についてはご遠慮いただいておりますが、常識の範囲内で使用する分には問題ございません。みなさんでよりミュージカルを好きになりましょう。
トニー賞とアメリカの
ミュージカル
↓↓ファイルをダウンロードしてご覧ください
ウィーン・ミュージカルの
概要と楽しみ方
↓↓ファイルをダウンロードしてご覧ください




ニック坂元のブロードウェイ観劇記
★2024年3月22日★
【Wicked】(ブロードウェイにて)2列目
センターブロックの中央で158.5ドル(約2万4千円)。この時期、アメリカは既に春休みに入っている学校も多く、学生割引で中高生のグループを多く見かけ、グリンダがフィエロに振られる場面や、フィエロとエルファバのキスシーンでは、客席からやんやの歓声で盛り上がる。一方で家族連れからは、お菓子のガサゴソの音もあちこちで。20年間のロングランで、24人がエルファバを演じたとのことで(グリンダは17人)、平均すれば1人約10カ月。何度も見ていますが、今でもわが家の最大のごひいきのひとつです。ストーリーが本当によくできていて、韻(いん)を踏む英語のセリフ回し、細かな伏線の回収は、何度見ても素晴らしく、迫力のある楽曲、大掛かりな舞台装置を使って、自分たちと違うものへの差別問題をテーマにした強力なメッセージが伝わり、何度見ても考えさせられます。グリンダのポピュラーのシーンは更に修正が加えられていました。以下は私見ですが、劇団四季版は翻訳の語感の難しさからか、ストーリーが一部カットされ、ニュアンスやメッセージ性が弱くなっているのが残念です。グリンダは最初はガリンダだったのが、ドクターディラモンドの逮捕でダイバーシティに目覚め、彼が(動物であるために)訛っていた発音に合わせて自分の名前をグリンダ変え、それがフォーグッドの「グ」の発音へ重ねられ、ラストシーンで自らをグッドウィッチと名乗るまでに変化していくという、グリンダの成長の過程はカットされています。演じる役者によっては、エルファバ以上にグリンダに感情移入できるストーリーですが、日本版はその魅力がやや薄れて、エルファバ中心のストーリー展開のように感じます。冒頭で、エルファバが初対面のグリンダをblondのひと言で切り捨てるあざやかな語感や、グリンダがエルファバに対して言うartichoke steamed(アーティチョークは日本にはなじみがないのでそら豆に置き換え)、マダムモリブルとグリンダで冒頭と最後に2度使われるwhat it takes(その価値があるの意味)、オズがエルファバに言うworld is your oyster(シェークスピアの喜劇「ウィンザーの陽気な妻たち」からの引用)等の語感を日本語訳する難しさ。2幕目最初、グリンダの婚約の場面でフィエロが言う「君が幸せなら僕はそれでいいよ」は、英語では相手を振る時の典型的な言い方ですし、nothing like homeはオリジナルのオズの魔法使いのドロシーの有名なセリフを、エルファバが全く違う状況で使って、どちらも毎回笑いが起こる場面です。エルファバがUnlimitedからI’m limitedに変化するのは、韻を踏む分かりやすい例ですし、最後にグリンダが歌うI have been changed for goodのfor goodの意味は、「私はいい人(いい魔女)になる」と、「私は永遠に変わる」の2つを一文で表現する秀逸さで、言葉の選び方にあっと感動を受けます。アメリカ文化をそのまま日本語に置き換えても伝わらないのは仕方ないですが、英語版はアメリカの女子学生が使う若者アクセントで、かなりの早口で演じられています。劇団四季の発声法とは異なりますが、一方で情報量はより多くなります。生演奏で、カーテンコールは1回のみ。カーテンコールが終われば、まだオーケストラの演奏が続いている中で観客は席を後にするところは、ブロードウェイと日本の大きな違いです。それと「ウィキッド」は残念。アメリカ口語でwickedはいじわるの意味で使いますが、発音は誰にきいてもやっぱりウィケッドですね。

Home Events Tony Awards Works Team TONY Member KAYO’s Diary Nick Sakamoto’s About us Instagram Contact